「京都で妖怪をプロデュース」河野準也さん

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「京都で妖怪をプロデュース」

~妖怪企画プロデューサー 河野隼也さん~

河野 隼也(こうの じゅんや)さん

昭和57年5月21日生まれ。京都市伏見区出身。妖怪企画プロデューサー。嵯峨芸術大学大学院卒。京都で妖怪をテーマとした観光の確立を目指し、一条通大将軍商店街の「妖怪ストリート」を始め、妖怪のアートフリマ「モノノケ市」や嵐電の「妖怪電車」など妖怪を用いた様々なイベントを企画・実施している。また、母校の嵯峨芸術大学の観光デザイン科でアートを観光に活かす授業を行う。

”妖怪×アート×観光”

Q.現在、妖怪を利用した様々なイベントを企画されていますが、どうして妖怪と観光を結び付けようと思ったのですか?また、妖怪を好きになったきっかけは何ですか?

A.ちっちゃいときから、「ゲゲゲの鬼太郎」とか水木しげる先生の影響でお化けとか妖怪とか好きだったんです。母親がデザイナーだったので、デザインとかモノづくりにも興味はありました。大学でアートやデザインを学びながら妖怪の研究を続けたかったので、その両方ができる嵯峨芸大のデザイン学科に入ったんです。

大学でモノづくりしながら、妖怪の研究をしてたんですが、調べてみたら、京都って妖怪の話がめちゃくちゃ多いんですよ。妖怪っていうと、ゲゲゲの鬼太郎を知らない世代はいないほど、おじいちゃんから子供までみんな知っててファンもたくさんいる。でも京都の妖怪を観光利用している方は今までいなかった。だから、自分の力でできないかなって思ったのが最初です。

Q.一条通りの妖怪ストリートを始めた経緯を教えて下さい。

A.大学卒業後、大学院に進学して京都で妖怪をテーマにした観光を確立するための研究を始めました。その頃、ここ大将軍の商店街が、古道具が妖怪に化けて一条通を行進したっていう百鬼夜行伝説をもとに妖怪で町おこしを始めて取材へ。でも別に妖怪に詳しい人や観光に知識がある人がいない。最初の計画も子供に妖怪のお面かなんか画用紙で作らせて10人くらい歩かせるイベントって言ってたけど、あんまりおもしろくないなって。うちは芸大生の後輩もいっぱいいるから、僕がイベントプロデュースしますって始めたんです。衣装作って妖怪の仮装行列したり、マスコミとかも来て取り上げられるようになったりして、力を入れて継続していって。そのままプロデューサーみたいな感じで関わってます。

“「可能性があるのに誰も手出ししてないから、逃すのももったいないなって」”

Q.一条通で妖怪を町おこしに使うと決めた時、地域の方々の反応はどうでしたか?

A.最初は、反対もありましたよ。そんなに妖怪を押されたら余計人が来なくなるって。僕が住民で興味があってもそう言いますね(笑)

でも、誰もがオッケーする企画ってぬるかったりするんですよね。反対するってことは誰の発想にもないものがある。反対を覆せるくらいの力量がある人がそうやるのがいいんじゃないですかね。逆に言うと最初からみんなが賛成するものは、もしかしたらあんまりよくないのかもしれない。当たり障りないことやっても、よそもやってることだと思うので。

Q.この仕事を始められたきっかけは何ですか?

A.最初の段階で誰もやっていないからですね。本当は、作品を作ってそれだけでやっていければいいんだけど。やり始める前は、妖怪の作品を作っても見向きもされなかったから、まず妖怪っていうものがコンテンツとして成立しなきゃだせないなって。だから町おこしとか始めたというか、最初の動機として結構ありますね。それから町おこし前に、芸大の卒業制作で京都の妖怪の話をたくさん集めて冊子にしたんです。そしたらすごい反響があって。誰もやっていないし、反響あるならいけるだろうという確信がありました。

偉い人にはあんまり評価されてこなかったんですけど、来てくれた人の感想とかが結構後押しになって。絶対いつか花開くはずだから頑張ってやろうってやってたのが原動力になってます。

”妖怪のすゝめ”

Q.活動の拠点として京都を選んだのは何故ですか?

A.妖怪って、お話がある年代ごとにちょっと形容が違うんですけど、京都のは平安時代のお話がすごく多いんですよ。まだ陰陽師がいたり鬼がでたり、(妖怪が)生きてた時代なので。僕が学生の時、ちょうど安部晴明ブームで清明神社を訪れる人が多い割には、こういう妖怪にまで興味を持つ人が少ないなっていうのも(理由として)ありました。それから地の利、実家が京都ってのもあるかなー。地方の人で京都で一人暮らししてるっていうならキツかったんですけど。だからまずは京都をものにしようって。妖怪という面と観光の面でも京都が一番ものにした時にでかいなっていうのもありましたね。

Q.河野さんにとって妖怪の魅力とは?

A.そうですねぇ…。古めかしい懐かしい感じとエキセントリックな感じが両立してるところですかね。伝統的なものや古いものって一見退屈そうじゃないですか。でもこういう百鬼夜行とかの妖怪の絵を見ると奇抜で面白い。この両立って難しいんですけど、妖怪は両方の魅力を併せ持ってるのでおもしろいなって思います。

それから、お年寄りから子供まで楽しみを共有できる「非常に優れたコンテンツ」という点も妖怪の魅力ですよね。

Q.京都のご当地妖怪を教えてください。

A.鵺(ぬえ)って名前聞いたことありますか?元々鵺鳥(ぬえどり)っていって、実在するんですよ。平安末期かな、大内裏の天皇の寝室の上から夜な夜な鵺鳥のすごいさびしい声が聞こえるから天皇が精神的に参っちゃって、源頼政に退治してくれって夜中に矢で射ってもらうんですよ。そしたら、体が狸で手足はトラでしっぽは蛇っていう謎の化け物が落ちてきた。

現在の二条児童公園に鵺を射殺した矢じりを洗った池があって、その関係で公園内に鵺大明神って鵺の魂を鎮める神社があるんです。殺された鵺の死体はうつぼ舟っていう木をくりぬいた舟に入れて海に流したんですけど、流れ着いたのが大阪港。だから大阪港の紋章、マークが鵺なんですよ。かっちょいいでしょ。調べりゃこういうのがいっぱい出てくる。

”妖怪が生きる京の都”

Q.京都の印象はどうですか?

A.僕はずっと京都に住んでるんでね…京都が当たり前になってますね。地方に行ったりすると寺とか少ないなって、ちょっと居心地悪いというか。東京行って東京駅に行くと「そうだ京都、行こう。」のポスターがやっぱり多くて、昔は「なんでこんなに京都に来たがるの?東京の方が楽しいのに」って思ってました。でも、確かに他の地域と比べてもいろんな歴史の、なんていうのかなぁ、地層がいっぱいあるので、いろんな時代の遺物が残っている面白い土地だなと思いますね。

Q.京都について知ってもらいたいところや魅力

A.妖怪話って他の土地にもあるんですけど、京都の場合、「これこれこういう妖怪とか鬼とか天狗とかがいました、それがここです」とか、「そいつが何かした灯籠がこれです」とか、ってものがたくさん残っているのがやっぱり面白いなぁって思います。世界史や日本史の授業とかで、先生が脇道にそれるのが面白いじゃないですか。京都は、そういう歴史の脇道みたいな、トリビア的なものがたくさん残っているっていうのがね、魅力の一つなんです。

Q.学生にオススメの京都の楽しみ方

A.ベタな観光地とかお寺ってあんま行かないじゃないですか。でも行けば行ったで若い人も楽しめるような、こぼれ話的なものとか伝説とか残ってるし探せばいっぱいあるんです。そういうところをマークしていってもらえれば、楽しめるのではないかと思います。

Q.中でも一押しの場所はありますか?

A.一押しのとこ、いっぱいあるんですけどねぇ。東山が面白いですね。清水とか高台寺とか、六波羅蜜寺とか観光地がたくさんあるけど、遺体を捨てに行った場所でもあるから、あの世に通じる井戸とか、夜な夜な幽霊が飴買いに行った飴屋さんとか、そういうスポットもたくさんあるんです。光の歴史と闇の歴史が混在してる東山はおもしろい。まあ、京都は全体的にそうなんですけど、分かりやすいのが東山ですね。

それから、あんまりね、人がめっちゃ来ても困るんですけど、清水寺の裏道行くと鳥辺野(とりべの)ってところがあるんですよ。三方山に囲まれた盆地で、昔の葬送地帯。都で人死にとかあると遺体をいっぱい周りの山に放りに行ったんですよ。今、東山って観光客いっぱいなんですけど、鳥辺野は一歩入ると見渡す限り全部お墓っていうところなんです。あそこね、なんか結構楽しい。何かね心穏やかな気分になれますね(笑) 時々観光客が間違って入ってきちゃうんですけど。鳥辺野なんかは面白いですね。

河野さんから学生に向けてメッセージ

”自分の価値観を信じて”

今までなら成立しないことでも、今は誰でもネットで情報発信できて人と違った変わったことをしやすい時代になってます。偉い先生とかに反対されてもめげずにやれば絶対いいことがあります。だから、自分の価値観を判断基準にして好きなことをやっていけたらいいなぁって思いますね。

Twitter        https://twitter.com/kouno0521

京都一条妖怪ストリート:http://www.kyotohyakki.com/index.html

★関連イベント

モノノケ市:一条通、大将軍八神社で開催される年に4回の妖怪アートフリーマーケット

http://www.kyotohyakki.com/mononokeichi/aboutichi.html

2014年今後の開催予定

8月2日(土)

10月18日(土) 妖怪仮装行列「一条百鬼夜行」と同時開催

妖怪電車:嵐電が妖怪であふれかえる新しい京都の夏の風物詩

https://www.facebook.com/youkaidensya/info

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